2018年9月のひとこと


この夏休みは普段よりも読書の時間を取ることができましたので、過去に読んだ本を何冊か読み直してみました。その中で印象に残った一節を紹介します。

また、自分をなんと呼ぶかの問題を拡げて行くと、日本人がひとりごとを言う時、自分になんと呼びかけるだろうかという疑問にぶつかる。英語ではしばしば、自分にyouで呼びかけ自分を二人称扱いにする。しかも多くの場合次の例のように、自分の名前を先ず言うのである。

Miss (Jane) Marple sighed, then admonished herself in words, though she did not speak
those words aloud. “Now, Jane, what are you suggesting or thinking?”

太郎という名の日本人が自分に「太郎、お前何考えてんだ」というようなひとりごとを言うだろうか。

引用:「ことばと文化」 鈴木孝夫著 岩波新書

文化の違いによって自称詞の使い方も変わるという指摘はとても興味深いものです。
確かに日本人は自分の事をyou(お前)と呼ぶ習慣は無いように思いますが、自分に対してあえてyouという言葉を使うことによって、自分のことをより客観的に見ることができるような気がします。何かに悩んだ時、”What do you think about it?”と自分に問いかけてみるのも、答えを見出す一つの方法かもしれません。

※ この後、本文では日本人の自称詞、対象詞の特異な構造が、日本人に固有の行動様式や考え方とどのように結びついているかについての作者の解釈が続きます。


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