2022年1月のひとこと


成田

〈前略〉 それと、障害者でも健常者でも必要なのが「自立」なの。自立って「自分で立つ」と書くよね。自立するっていうのはどういうこと? って尋ねると「何でも自分でできることです」って答える人が多い。特に一般の親御さんはそれを子どもに望むというか、自分でお金を稼いで、家賃を払って生活できることが自立だって考えているようです。

山中

僕らが子どもに「手に職をつけて自分で飯を食える大人になれ」と望むのと一緒だよね。

成田

ところが、障害のある方から言わせると、そもそも普通にできないことが多いわけだからそんなの絶対無理だと。じゃあ「自立って何ですか?」って尋ねると、「自分ができないことをちゃんと理解して、誰かに『助けて』って言えること」とおっしゃるの。

山中

なるほど。障害がなくても「できないこと」はあるし、「できない時」もあるよね。僕らみんな常に心も体も元気だとは限らない。

成田

そんなふうに共感してもらえて嬉しいです。私は、その「助けてと言えることが自立である」っていう言葉に、とても感銘を受けました。

山中

僕もです。共感するなあ。

 

※強調は原文のまま

山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る
山中伸弥+成田奈緒子 講談社+α新書 2021年10月

 

子どもの自立を促すために、成長段階に応じて子どもを「ほったらかしにする」のはとても大切なことだと思いますが、これは「親が子どもに全く関わらない」ということではありません。いざという時にはやはり親御さんに関わってもらう必要があると思います。要は、子どもとは一定の距離感を保って接してもらうことが大切なのですが、そのためには、子どもが本当に困ったときには親に対して「助けて」といえる親子関係を築いてもらいたいと思っています。

では、そんな関係を築くためにはどうすればいいのでしょうか。私にはこれといった方法があるわけではありませんが、子どもが失敗してしまったときに、「だから言ったでしょ」と言いたいのを我慢して「次はこうしようね」と言ってあげられるようになりたいと思っています。(言うは易し、行うは難しですが。)

学校は「安心して失敗の出来る場所」でなければならない、と常々考えていましたが、「失敗したときに周りに気兼ねなく『助けて』と言える場所」でなければならない、とも思うようになりました。

「助けてと言えることが自立である」・・・できる限り多くの人たちに伝えたい言葉です。

今年で本郷学園は創立百周年を迎えます。気持ちを新たに、次の百年に向け一歩一歩着実に歩を進めたいと思います。今後もどうぞよろしくお願いいたします。

令和4年が皆さんにとって素敵な一年になりますように。


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