2021年4月のひとこと


2学期に行われた高校3年生の学年集会で、私から生徒達に対して次のようなメッセージを送らせていただきました。

君たちには「人(世の中)の役に立ちたいという気持ちを持ち、人の役に立っている ということに対し喜びを感じることができる人」になってほしい。

高校3年生はすでに卒業してしまい、遅きに失した感は否めませんが、この場をお借りして、上記に以下の言葉を加えさせていただきたいと思います。

利他的な行動には、本質的に、「これをしてあげたら相手にとって利になるだろう」 という、「私の思い」が含まれています。

重要なのは、それが「私の思い」でしかないことです。

思いは思い込みです。そう願うことは自由ですが、相手が実際に同じように思ってい るかどうかは分からない。「これをしてあげたら相手にとって利になるだろう」が「こ れをしてあげるんだから相手は喜ぶはずだ」に変わり、さらには「相手は喜ぶべきだ」 になるとき、利他の心は、容易に相手を支配することにつながってしまいます。

つまり、利他の大原則は、「自分の行為の結果はコントロールできない」ということ なのではないかと思います。

「利他」とは何か』 伊藤亜紗編
中島岳志/若松英輔/國分功一郎/磯﨑憲一郎 集英社新書 2021年3月
第一章『「うつわ」的利他―ケアの現場から』伊藤亜紗 より

相手のことを思っているつもりでも、「相手は喜ぶべきだ」という感覚に陥いることがあるのだ、ということを常に心に留めておきたいと思います。


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