2020年7月のひとこと


太田:そもそもコミュニケーションは一人じゃできないわけでね。コミュ障って言われている人は、その人だけの問題じゃなくて、周りにいる人も、その人の意図をくみ取れないという点でコミュ障ともいえる。だから、話すのが下手な人でも、言葉だけじゃなくて表情とかも手がかりにしてわかろうとする人がそばにいれば、その人はコミュ障なんかじゃない。赤ん坊なんて、その典型じゃないですか。

山極:赤ちゃんはしゃべれないからね。それでも周りの人間が必死になって理解しようとする。

太田:そうです。言葉を使えない赤ん坊のときが一番、理解されていたかもしれない。少なくとも、周りは全身全霊で、その発しない「言葉」を理解しようとしていたわけですよね。最近は伝えるためのハウツー本がたくさん出ているけど、むしろ、発信者としての自分より、受信者としての自分を磨いたほうがいいと思う。つまり、わかりたいと思われるような人になれ、ということですね。

『「言葉」が暴走する時代の処世術 -コミュニケーションに悩む全ての人へ―』
太田光/山極寿一著 集英社新書  2019年12月から引用

欲しい本があるわけではなく、とにかく歩き回るということが目的で本屋さんに行くことが時々ありますが、そんな時に上記の本が私の目に留まりました。お笑い芸人をされている太田氏(爆笑問題、私と同世代です)と京都大学学長の山極氏の対談ということで、何となく気になり、内容も確認せず題名だけを見て購入を決めました。(おもしろかったです。)

「受信者としての自分を磨いたほうがいいと思う。つまり、わかりたいと思われるような人になれ、ということですね。」

他者とコミュニケーションをとる場合、当然のことながら自分は発信者と受信者の両方になりますので、その両者としての力を磨くというのは至極当然のことであります。しかしながらこの本を手にするまで自分にはこの(受信者としての自分を磨くという)発想がありませんでした。

最近は固定観念にがんじがらめで、柔軟性というものが全くと言っていいほどなくなってしまった自分の思考に対して、「こんな考え方もあるよ」と気付かせてくれるのはやはり読書です。ありがたいものです。それにしても、最近は読書をしながら反省することが非常に多くなったような気がします。


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