2020年8月のひとこと


道路に穴があいていることも少なくない。マレーシア人の標準カーナビとも言えるWazeというアプリは非常に優秀で、道路に陥没があったり水没していたり、混雑したりすると教えてくれる。だから、この情報を頼りに、そういう場所を避けて運転する技術が身につく。以前マレーシアで「ポケモンGO」が流行ったときには、道路の穴に落ちる人が続出して新聞に載った。だが、だからといって、マレーシア中の穴を埋めよう、とはなっていない。みんな落ちないように注意するのだ。

(中略)

しかし、お膳立てされた日本から来てマレーシア流に慣れていくと、いかに自分がものを自分の頭で考えることをサボっていたかがわかってくる。新興国では「人がやることだから、間違いは起きるし、完璧にはできない」というのが前提なのだ。人によって全く言うことが違う。「マニュアルや基本事項を書いたものはないのですか」と聞いても、たいていそんなものはない。人々の側が自分で考えて判断するのだ。そしてその判断は毎回同じとは限らない。

(『日本人は「やめる練習」がたりてない』 野本響子 集英社新書  2019年6月 より)

現在は(日本だけではありませんが)、新型コロナウイルス感染症の影響で先のことを想像することが非常に難しい状況です。これから進もうとしている道のあちこちに「穴が開いている」状態だと思います。日本では道に穴が開いていたら国や自治体がすぐに埋めてくれますから、穴に落ちるということはまずありえません。しかし、新型コロナウイルスに関しては、分からないことが多く、すぐに何とかしてくれることは期待できませんから、「穴にはまらない」ようにマレーシア流と同じように一人一人が注意して、しっかりと足許を見ながら一歩ずつ進んで行くしか方法はないのではないでしょうか?どちらに進むのが正解なのかがわからなくて不安であっても、歩を進めていかなければならない。生徒たちは「自分で考えること」の大切さをこれまで以上に感じているのではないかと思います。

今年は残念なことに非常に短い夏休みとなってしまいます。しかしながら、この短い時間を有効活用するための毎日の過ごし方を生徒諸君には自分の頭でしっかりと考えてもらいたいと思っています。

環境に負けず、充実した夏休みになることを大いに期待しています。


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