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今月の一言

2025年7月のひとこと

今年の6月は真夏のような気温の日が多く、四季のうつろいというものが変化してきたという思いを強くしました。梅雨空のもとで、紫陽花を愛で、夏の到来に思いをはせるという時間が短くなってしまったようです。昔日と比べて、「暑さ」の質も変化したように思います。私たちは変化してしまった環境といかに対峙していくべきかという新しい課題を抱えるようになりました。

 環境の変化とともに、科学技術の急速な進歩により、私たち人間の認識も変化を迫られています。生成AIが色々なことを人間の代わりにやってくれるようになりました。生成AIの急速な進化の中で、作業の効率化は、それ自体が究極の目標となっているようにも思えます。しかし、一見、便利になったと思われる環境の中で、便利になることで見えなくなってしまったもの、喪失したものがあるのではないかという思いを強くすることがあります。効率と利便性を追求していくなかで、物事を成し遂げる過程で必要となる労力のかけがえのなさに対する感情、苦労のあとで、疲労とともに得られる達成感、そんな人間の原初的な感情も忘れないようにしていきたいと思います。

 環境の変化と認識の変化を視野に入れつつ、人にとって大切なものとは何なのかを考え続ける姿勢が必要とされています。