今月の一言
2026年11月のひとこと
本校では高校2年次から、「文科」「理科」に分かれてクラスを編成するため、高校1年次に「文理分け」の希望調査を「予備調査」と「本調査」の二段構えで実施しています。今後の人生の歩みに深く関係する調査ですので、「文理分け」の希望調査の前に、生徒諸君が自分自身と正面から向き合うための課題や講演会などを複数設定しています。また、その前の段階として、中学3年次には、「卒業研究」の執筆を通して、自分が興味・関心を持つ分野について、じっくりと考える機会を設けています。
将来、どのような職業を選択するのか、自分はどのような分野で力を発揮することができそうなのか、大学で何を学びたいのか等、「文理分け」は、自分の将来について多方面から考える機会をもたらす重要な選択です。「文理分け」の選択の際には、将来の自分に思いをはせることを通して、現在の自分と正面から真摯に向きあうことが必要になります。しかし、自分と正面から真摯に向き合うのは、意外と難しいものです。
自分のことを客観視することは、厳密に考えれば不可能ですが、自分を見つめ直す契機は、日々の〈学び〉の中にあるのではないかと思っています。中学・高校で学んでいる教科・科目の中に、好きなもの、嫌いなもの、どちらでもないものがあるのは当然なことだと思います。「全ての教科・科目を好きにならなければならない」と思うと息苦しくなってしまいますが、嫌いな教科・科目を切り捨ててしまうのではなく、好きになれない理由を言語化しつつ、それでもあえて前向きに取り組んでみようとする意志が、自分の適性を浮かび上がらせ、知力の裾野を広げていくのではないかと思っています。また、こうした主体性があってこそ、好きな教科・科目の輪郭が明確になり、自分の中に眠っている力を認識できるようになるのだと思います。
中学生・高校生が、現在学んでいる教科・科目は、人間の長い歴史の中で培われた〈知〉の集積であり、大学で専攻する学問の入り口を準備するものです。「好き/嫌い」という二項対立を超えて、現在の〈学び〉の中から、自分を見つめる〈自分〉を育成する契機を見出してほしいと思います。