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今月の一言

2017年5月のひとこと

「(前略) 私が大変お世話になった原田泰夫九段という大先輩は、色紙を頼まれると『三手の読み』と書いておられました。『三手の読み』とは、自分が指す、次に相手がこう来て、それに対して自分はこう指すという三手で、最短のシミュレーションということになります。三手先を読めばいいだけですから、簡単そうに思われるかもしれません。
ところが、この『三手の読み』が実は難しい。最初の手は自分の好きなようにやればいいだけですが、問題は二手目に相手が何をやってくるかです。みなさんは子どもの頃、『相手の立場に立って考えましょう。』と言われた経験があると思いますが、相手の価値観で考えるということは、大人でもかなり難しい。(後略) 」

引用:「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう -第二章 羽生善治-」
永田和宏著 文春新書

自分の価値観は横に置き、相手の価値観で物事を考えるというのは本当に難しいことだと思います。
この力を鍛えるには多くの人との交流を通して自分の経験値を上げていくしかありません。
今年度も多くの新入生を迎えることができましたが、彼らにはこの本郷で、交流の輪を大いに広げていってもらいたいと思っています。