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今月の一言

2022年6月のひとこと

山中

ところで益川先生には座右の銘というものはありますか?

益川

「眼高手低」。この言葉は本来、「評論はうまいけれど実作はヘタだ」という意味なんだけど、学生時代にある数学の先生が、「科学者として目標は高く置きなさい。しかし、着実にできることから一つ一つ積み上げていきなさい」と解釈されていたんです。僕はこの言葉が好きでね。いろんなところで若い人達にこの言葉を言っています。「自分の面白いと思えることを、真正面からやってください。ただしその時は、目標を高く持ち、行動は着実なところから」というメッセージをこめて。

『「大発見」の思考法 iPS細胞vs.素粒子』
山中伸弥 益川敏英 文春新書 2011年1月

辞書を引くと「手低」とは「実力や技術力が低いこと」となっていますが、それを補うためには「自分の出来ることを着実にこなしていく」ことが最も効果的だと思います。

本来の意味とは違いますが、「眼高手低」を「目標を高く持ち、行動は着実なところから」と解釈するのはとても素敵だなと思いましたので、ここで紹介をさせていただきました。

生徒諸君にはぜひとも心に留めておいてもらいたい言葉です。