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今月の一言

2022年11月のひとこと

 withコロナ時代の中で、先の見通しが立たず、ままならない思いを抱いている人たちに、1つの考え方を紹介したいと思います。心理学用語で「ラジカル・アクセプタンス」というものがあります。これは、自分のコントロール下ではないことをあえて評価せずに、「起きたこと」として受容(アクセプト)して前に進むことを意味します。 

 受容とは、あきらめたり、忘れたり、感情を抑制することではありません。起きた出 来事をいいとか悪いといった評価を下さずに、「起きたことはもう変えられない」とい う前提のもと、そのまま受け入れていくことです。

〈中略〉

 コロナ禍の日常は私たち自身ではコントロールできないことだらけです。いつ自分が 感染するかもわからないし、数カ月後の社会の状況もまったく予想できない。そんな中、自分のメンタルを守っていくためには、「ラジカル・アクセプタンス」を取り入れて、事実は事実として、そのまま受け入れていくことが大切です。たとえ、事実を変えたいと思うようなときでも、その事実を受け止めることで、そのなかで自分がコントロールできることは何なのかが明瞭になり、希望が見えたり、行動に移せたりすることもあるのです。

天才たちの未来予測図」 高橋弘樹編著 マガジンハウス新書008  2022年9月
『withコロナ時代の「心の守り方」』 内田舞 より

 こんな時代だからこそぜひとも参考にしたい考え方だと思います。

 自分の中で感情の変化が起こった時、特に負の感情が生れた時は、それを無理に抑え込もうとするのではなく、まずは「感情の変化が起こった自分」というものを素直に受け入れられるようになりたいと思います。自分を客観視することができれば、それが事実を事実として受け入れる心の余裕、言い換えれば「ラジカル・アクセプタンス」の実践に繋がっていくのではないかと私は考えています。