今月の一言
2025年5月のひとこと
近年「グローバリゼーション」という言葉をよく耳にします。この言葉が頻繁に使われるようになった背景には、交通・通信技術の発達、経済活動の領域拡大などによって、世界を一体的に捉える傾向が強くなっているという現状があります。しかし、人々の考え方や世界観・価値観が単一化することはありえません。表面的には文化の均質化が進行しているように見えても、世界には様々な思想や価値観があり、時には対立の図式をとることもあります。異文化同士が真の意味で融合するということはないのです。
「グローバリゼーション」という言葉が、その実質を吟味されることなく一人歩きを始めている現在であるからこそ、各文化の間には断絶があるという前提のもとで、私達は異文化を理解しようとする意志を持たなければなりません。そして、物質面での「グローバリゼーション」が進行しているからこそ、自分の文化圏とは異なった考え方や世界観・価値観を持つ人々と対話をする必要があるということを理解しなければなりません。現在の中・高生の皆さんが社会に出るころには、考え方や世界観・価値観が異なる人々とコミュニケーションを図り、協働しなければならない場面は確実に増えるでしょう。こうした状況の中で、異文化圏の人々とコミュニケーションを図ろうとするときに、まず必要となるのが英語の運用能力です。
英語の運用能力を身につけるための勉強は、単に大学受験を突破するためのものではありません。皆さんの今後の人生で必須となる技能を習得しようとしているのだという認識のもと、校内の英語テスト、模擬試験、英検やGTECの結果を検証してほしいと思います。