TOPICS

TOPICS

学校生活お知らせ

特進コース対象の「進学講演会」を開催しました

高校1年生と高校2年生の特進2クラス約170人を対象に「進学講演会」を開催し、2名のOBからお話を伺いました。

理科一類から経済学部に文転した中西倫太郎さん

ご紹介するのは、大学4年生の中西倫太郎さん。
中学時代は、サッカー部に所属。スポーツに明け暮れる活発な生徒でした。サッカー部顧問の「サッカーボールに詰まっているのは空気じゃない。夢と希望だ!」という言葉は今も大好きだそうです。
しかし高校では特進コースに進学し、勉強に専念するためサッカーをやめ、「社会部」を創部しました。ここでは得意の数学を活かし、ビジネス・アイデア・コンテストでプレゼンの財務計算のミスを指摘するなど、当時から、現在の中西さんに至る萌芽を見せていたようです。

そんな中西さんは、東京大学入学後に理科一類から文科二類(経済学部)に転籍。最初に東大に入学したときから、「最初から経済学部に文転するつもりだった」そうです。
「なぜ最初から文科二類を受験しなかったの?」と聞くと、「英語と歴史が苦手で、数学と科学が得意だったから。」とのこと。

こんなことができるのは、東大に「進学振り分け制度」が存在するからです。
※ 東大では、理科1類~3類、文科1類~3類に分かれて入学し、大学3・4年次に文学部・法学部・経済学部・教育学部・教養学部・薬学部・医学部・工学部・理学部・・・と分岐する。人気のある学部に進学するためには、大学1・2年次に優秀な成績を収める必要があるため、「東大では入学してもまだ受験は続く」のである。この制度を「進学振り分け制度」という。理科3類から文学部に進学したり、理科1類から経済学部に進学したり、ということができ、「大学に入ってからも自分の進路をじっくり悩んで考える時間がもらえる」「文系理系を問わず、幅広く学ぶ機会をもらえた」と前向きに考える学生が多いです。

将来やりたいことから逆算して、大学受験をしよう。偏差値やブランドで決めないで。

将来の進路についてのアドバイスでは、「就活の時期はすぐ来ます。僕の周りにもそういう人はいたけど、そのときになってから慌てても間に合わないです。だから、大学に入る前、というか、受験勉強をする前に、だいたい将来何をやりたいのか考え、そこから逆算して、どの学部に行くか決めるべきです。ブランドや偏差値だけで大学を決めるのはやめておいた方が良い」と、本質的なアドバイスをしてくれました。
また、在校生からの「東大の雰囲気はどんな感じですか?」という質問には、「基本的に真面目で、遊びもするけど、やるときはやる、勉強だけじゃなくて。ほんと色々なことやってる、面白い人が多い気がします。」とのこと。

普通の人が普通に生きられる社会を作るために働きたい

卒業後、中西さんは数学的能力と経済学の知識を活かして「アクチュアリー」という専門職に就くそうです。これは、公共性の高い社会インフラとしての企業年金や生命保険を、安全に運用するための複雑な数式を作る仕事のこと。すべての人びとの暮らしを支えたい、という熱意はファストフード店でのアルバイトがきっかけだそう。

「“フツーの人が、フツーにやっていてうまくいく”ように制度設計することが経済学の役割。それで、1年だけ、飲食で働いてみたくてバイトしてみたんです。本当に大変な仕事でした。その職場の仲間は、お年寄りや主婦の方、高卒ではたらいている子、色々ですけど、みんなそれぞれ大変な事情を抱えて働いていらっしゃいました。僕とは世界が違う人たちでした。自分が恵まれている、と肌で感じました。だから、僕は経済学を学んだ身として、“普通の人が普通に暮らせる社会”を作りたいし、そういう人を支えるための仕事をしたいと思ったんです。」

在校生諸君には、先輩たちのメッセージをしっかりと受け止め、志を高くもち、校訓の「社会に貢献できる人となれ!」を実現するため、しっかり勉強してくれることを願います。