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お知らせ

東北関東大地震から考えること

 3月11日に発生した「東北・関東大地震」は自然の強大さを見せつけ、人間の力の至らなさ弱さを強く感じさせるものでした。被害にあわれた方々に慎んでお見舞い申し上げ、一日でも早く復興されることを願っております。

 本校においても地震発生以来様々なことがありました。

 当日は、4時間で授業が終了し大多数の生徒諸君は下校していましたが、生徒会・クラブなどの活動で生徒450名、教職員100名が帰宅できず、備蓄の食料と毛布で一夜を明かしました。翌日には交通機関の復旧とともに帰宅することができました。また、学校は電気・ガスは止まることもなく、校舎など施設にも被害はありませんでした。
 当日、保護者の方からは、差し入れや励ましのメールなどをいただきましたが、お礼を申し上げる機会もないままになっておりました。この場をお借りして、そのお心遣いに厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 生徒会では修了式の3月19日に募金活動を行い、日本赤十字社を通して義援金を送りました。

 卒業式は中学・高校とも中止しました。高校生に対しては3月23日に「卒業生を送る会」を開き卒業証書を渡すことができました。そこで、私は以下のメッセージを卒業生に送りました。
『いつの世のどんな状況であっても、若者にはリーダーとして活躍することが求められている。そのリーダーの資質として、多くの知識と多くの選択肢、そして倫理観に根ざした思いやりが求められる。その求められるものの実現のために進路選択が必要であり、それぞれが考えている進路の中で大学進学というものが大きな意味を持っている。しかし、大学生活に求められるものは、良い就職口を探すことではない。良い授業を受けることでもない。また、安心できる良い友達を見つけることでもない。“それぞれが持っている夢・希望を実現する”ために必要な高い知識と、そこに至る手順・方法を学ぶ経験を多く積むことが求められているのだ。得られた経験を生かして社会に貢献して欲しい。』

 クラブ関係では、いくつかのクラブが合宿や校内での活動を計画していました。しかし、計画停電の実施や原発事故の影響を考えると、現段階で状況がどう変化するかわかりません。まずは生徒の安全を第一に考え、クラブ活動を全て中止としました。中学・高校生にとって厳しい判断であると思っています。しかし、こんな時だからこそ一人ひとりが工夫をしてもらいたいと思います。何時から再開するか、状況を見ながら判断したいと考えています。

 新学期に行われる行事も見直しをせざるを得ない状況です。現段階では新入生にとって最初の行事であるオリエンテーションと中学・高校の校外授業を中止といたしました。

 状況がどう変化するか見通しを立てることは現時点ではとても難しいことですが、一日も早く元の生活に戻ることを願っています。被災された方々と地域の復興のために、今 我々にできることを考え行動していきたいと思っています。

 新入生の諸君・新しい学年を迎える諸君、「困難をいかに乗り越えるか」を共に考えていきましょう。

                                                本郷中学校・高等学校
                                                       校長 北原福二